ハイボール初心者向け|最初の1本で絶対に失敗しないウイスキー12選


ハイボール娘
今回は、自宅で美味しいハイボールを楽しみたいけど、どのウイスキーを選べば良いか分からないあなたへ。5,000円以下で手軽に買える、ハイボールにぴったりの銘柄をご紹介します。
■ハイボール向きのウイスキーとは?
ハイボールの味わいは、どのウイスキーを選ぶかで驚くほど変わります。なぜなら、「サントリー角瓶」や「ジムビーム」に代表される定番ウイスキーは、偶然ソーダと相性が良いのではなく、ハイボールで飲むことで最も美味しくなるように、味わいが緻密に設計されているからです。
メーカーのブレンダーたちは、炭酸によって香りがどう開き、味わいがどう変化するかを計算し尽くしています。炭酸に負けないしっかりとしたコク、爽快感を引き立てるドライな後味、そしてソーダで割ることで際立つ甘やかな香り。
そのすべてが、最高のハイボール体験のために完璧にバランス調整されているのです。そのため、ウイスキー選びで失敗したくない初心者は、こうした「ハイボール・ファースト」で開発された銘柄から始めるのが最も確実な方法です。
■ハイボールにおすすめのウイスキー銘柄12選
ここからは、ハイボール娘が厳選した5000円以下で購入できる、ハイボールに最適なウイスキー12本を詳しくご紹介します。しかし、ただ羅列するだけでは、結局どれを選べば良いか迷ってしまうかもしれません。そこで、この記事ではウイスキーを生産国や種類(例:スコッチ、バーボン)で分けるのではなく、「味わいのタイプ」で分けました。
「甘いものが好き」「フルーティーな香りが好み」「少し個性的な味に挑戦してみたい」など、ご自身の好みに合わせて選ぶことで、最初の1本で失敗するリスクをぐっと減らすことができます。
①サントリーウイスキー 角瓶
物語
1937年、サントリーの創業者である鳥井信治郎が「スコッチに負けない日本のウイスキー」を目指して世に送り出したのが「角瓶」です。その名は、薩摩切子をヒントにした亀甲模様の角ばったボトル形状から、誰からともなく呼ばれ始めた愛称が定着したもの。ラベルに「角瓶」の文字がないのも、その歴史を物語っています。山崎蒸溜所と白州蒸溜所のバーボン樽原酒を絶妙なバランスで配合し、日本人の味覚に合うように作られたこのウイスキーは、今や日本のウイスキー売上No.1を誇る国民的ブランドです。
味・香り
ストレート
グラスに注ぐと、バニラやカラメルのような甘やかな香りが立ち上ります。口に含むと、しっかりとした厚みのあるコクを感じさせつつも、後口は驚くほどドライでキレが良いのが特徴です。
ハイボール
角瓶の真価が最も発揮される飲み方。ソーダで割ることで香りが一層華やかに開き、甘みとコクが際立ちます。そして、そのドライな後口が爽快感を演出し、食事の味を邪魔しません。まさに「ハイボールが冴える味設計」を体感できます。
初心者へのおすすめポイント
日本の居酒屋で提供される「角ハイボール」の基準となる味わいであり、これを知らずして日本のハイボールは語れません。甘み、コク、キレのバランスが完璧で、万人受けする味わいです 。最初の一本として選べば、
購入時の注意点
700mlの瓶だけでなく、1.92Lや4Lといった大容量のペットボトルも販売されており、日常的に楽しむなら非常にお得です。スーパーやコンビニなど、どこでも手に入る入手性の高さも魅力です。
②ジムビーム ホワイト
物語
200年以上の歴史を持ち、世界120カ国以上で愛される世界No.1バーボン、それがジムビームです。ケンタッキーの地で、ビーム一族によって代々受け継がれてきた秘伝のレシピと製法を守り続けています。法律で定められた熟成期間の2倍の時間をかけて熟成させることで、そのマイルドで飲みやすい味わいが生まれます。高品質なデントコーンを主原料とすることが、その特徴的な甘さの源です。
味・香り
ストレート
バーボンならではの、トウモロコシ由来の香ばしさと、バニラやキャラメルのような濃厚で甘い香りがはっきりと感じられます。口当たりはマイルドで、アルコールの刺激は控えめです。
ハイボール
ジムビームとソーダの相性は抜群で、メーカーも「ジムビームハイボール」として強く推奨しています。バーボン由来の豊かな甘みが炭酸によって爽やかさに変わり、後味は驚くほどスッキリとしたキレ味に。味の濃い料理にも負けない、しっかりとした飲みごたえが魅力です。
初心者へのおすすめポイント
角瓶よりも甘みが強く、親しみやすい味わいが特徴です。バーボンウイスキーの入門として、これ以上ないほど最適な一本。しっかりとした甘さがありながらも、ハイボールにすると爽快に飲めるため、ウイスキーのアルコール感が苦手な方でも美味しく楽しめるでしょう。
購入時の注意点
非常にコストパフォーマンスが高く、角瓶と同様に2.7Lや4Lの大容量ペットボトルも存在します。アップルやハニーといったフレーバー付きのラインナップもあり、カクテル感覚で楽しむのも一興です。
③ブラックニッカ クリア
物語
「ヒゲのおじさん」の愛称で親しまれるブラックニッカ。その中でも「クリア」は、ウイスキー特有のスモーキーな香り(ピート香)が苦手な人でも楽しめるようにと開発された画期的な製品です。原料となる大麦麦芽を、ピート(泥炭)を焚かずに乾燥させる「ノンピートモルト」を使用することで、クセのないクリアな飲み心地を実現しました。そのキャッチコピー「クセがないから、クセになる。」が、このウイスキーのすべてを物語っています。
味・香り
ストレート
香りは非常にやわらかで、ほのかに甘みが感じられます。味わいは極めてまろやかで、アルコール度数が37%と少し低めなこともあり、スルスルと飲めてしまいます。
ハイボール
このウイスキーの個性が最も活きる飲み方。もともとクセがないため、ソーダで割ると究極にスッキリとした爽快なハイボールが完成します。ウイスキーの主張が控えめな分、食事の味を一切邪魔せず、最高の食中酒となります。
初心者へのおすすめポイント
「ウイスキーは個性が強くて飲みにくい」という先入観を持っている方にこそ、試していただきたい一本です。スモーキーさや樽の香りといった、ウイスキーらしいクセがほとんどないため、まるで水のようにクリアな感覚で楽しめます。価格も非常に手頃で、まさに「ハイボール入門の入門」にふさわしいウイスキーです。
購入時の注意点
今回紹介する中でも特に価格が安く、700mlボトルでも1000円を切ることがほとんどです。1.8Lの紙パックや4Lのペットボトルなど、ラインナップも豊富で、日常的な晩酌の強い味方です。
④グレンフィディック12年
物語
スコットランドのスペイサイド地方で造られる「グレンフィディック」は、世界で初めて「シングルモルト」として発売され、その魅力を世界に広めたパイオニアです。現在では世界最多の受賞歴を誇り、シングルモルトの中で最も売れているブランドとして君臨しています。雄鹿の紋章が刻印された三角形のボトルも象徴的です。その成功は、徹底した品質へのこだわりと、伝統を守り続ける姿勢の賜物です。
味・香り
ストレート
グラスからは、このウイスキーの代名詞ともいえる洋梨や青リンゴのような、フレッシュで華やかな果実の香りが溢れ出します 。口当たりは非常にスムースで、軽やかな甘みが心地よく広がります。
ハイボール
ハイボールにすることで、そのフルーティーな個性がさらに際立ちます。まるで上質なスパークリングワインのような、爽やかで上品な一杯に。甘く軽やかな飲み口は、ウイスキーを飲み慣れていない人でもすんなりと受け入れられるでしょう。
初心者へのおすすめポイント
「シングルモルト」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、グレンフィディック12年はそのイメージを覆すほど親しみやすい味わいです。クセが少なく、華やかな果実の香りは誰からも愛されるキャラクター。日本のシングルモルト「白州」にも通じる爽やかさがあり、日本人の味覚にも非常によく合います。シングルモルトへの第一歩として、これ以上ない選択です。
購入時の注意点
世界的な人気銘柄のため価格は安定していますが、5000円の予算内で購入可能です。ギフトボックスに入っていることも多く、プレゼントとしても喜ばれる一本です。
⑤シーバスリーガル12年
物語
“The Prince of Whiskies”(スコッチのプリンス)と称され、世界中で愛されるブレンデッドスコッチの代表格、シーバスリーガル。その歴史は19世紀初頭にまで遡ります。シーバス兄弟が様々なウイスキーをブレンドして生み出した、リッチで滑らかな味わいは、瞬く間に評判となりました。その卓越したブレンディング技術は、ウイスキーの芸術とまで言われています。
味・香り
ストレート
熟したリンゴやハチミツのような豊かな甘い香りに、バニラやナッツのニュアンスが重なります。口当たりは驚くほど滑らかで、アルコールの刺激をほとんど感じさせません。すべての要素が完璧に調和した、まろやかでバランスの取れた味わいです。
ハイボール
ハイボールにしても、そのリッチな風味は失われません。フルーティーな甘さが爽快感とともに広がり、非常に飲みやすい一杯になります。多くの人が「病みつきになる」と評価するほどの完成度です。
初心者へのおすすめポイント
角瓶やブラックニッカから一歩進んで、少しリッチな味わいを試してみたい、という方に最適です。ブレンデッドウイスキーならではの複雑さを持ちながら、突出したクセがなく、驚くほどスムーズ。ウイスキー初心者から愛好家まで、幅広い層を満足させる懐の深さがあります。
購入時の注意点
世界的なブランドでありながら、価格は非常にリーズナブル。2000円台でこの品質が手に入るのは驚きです。並行輸入品も多く流通しており、さらに安価に手に入ることもあります。
⑥オーヘントッシャン12年
物語
スコットランドのローランド地方を代表する蒸留所、オーヘントッシャン。その最大の特徴は、スコッチウイスキーでは極めて珍しい3回蒸留という製法にあります。一般的なスコッチが2回蒸留なのに対し、もう一度蒸留を重ねることで、より雑味が取り除かれ、軽やかでクリーンな味わいの原酒が生まれます。この伝統的な製法へのこだわりが、オーヘントッシャンの唯一無二のスムースさを生み出しています。
味・香り
ストレート
グラスからは、トーストしたアーモンドやキャラメルの甘い香りに、柑橘系の爽やかさが加わります。口当たりは非常に滑らかで、まるでシルクのよう。後味には生姜のようなスパイシーさも感じられ、軽やかながらも奥行きのある味わいです。
ハイボール
ハイボールにすると、その繊細さとクリアな味わいが一層引き立ちます。ウイスキーの主張は穏やかで、ソーダの爽快感と見事に調和。すっきりとしていながらも、香りの良さは失われず、非常に上品な一杯に仕上がります。
初心者へのおすすめポイント
「ウイスキーのアルコール感が苦手」という方に、ぜひ試していただきたい一本です。3回蒸留による究極の滑らかさは、他のウイスキーではなかなか味わえません。味わいに強いインパクトを求める方には物足りないかもしれませんが、繊細で軽快な飲み口を好む方には、最高のパートナーとなるでしょう。
購入時の注意点
シングルモルトとしては比較的手に取りやすい価格帯で、安定して流通しています 。そのユニークな製法から、ウイスキー好きへのプレゼントとしても面白い選択肢です。
⑦メーカーズマーク
物語
赤い封蝋(ふうろう)がトレードマークのメーカーズマークは、「ハンドメイド」にこだわるクラフトバーボンの先駆けです。最大の特徴は、一般的なバーボンが原料にライ麦を使うのに対し、冬小麦を使用している点。これにより、ライ麦由来のスパイシーさが抑えられ、ふっくらとした優しい甘みが生まれます。一本一本手作業で施される封蝋は、同じものが二つとない、品質の証です。
味・香り
ストレート
バニラやハチミツのような甘い香りに、オレンジのような華やかな果実香が重なります。口に含むと、小麦由来のふっくらとした甘みが広がり、非常にまろやか。バーボンらしい力強さも持ち合わせていますが、全体的に角の取れた優しい印象です。
ハイボール
ハイボールにすると、その優しい甘みが爽やかに引き立ちます。炭酸が加わることで、後味はすっきりと軽快に。バーボンの豊かなコクと甘みを、心地よく楽しむことができます。
初心者へのおすすめポイント
バーボンと聞くと「クセが強そう」と敬遠する方もいますが、メーカーズマークはその概念を覆してくれます。一般的なバーボンに比べて刺激が少なく、甘みが豊かで非常に飲みやすいのが特徴です。まさに「バーボンの世界への、最も優しい入り口」と言えるでしょう。ジムビームよりも少しリッチで複雑な甘さを体験したい方に最適です。
購入時の注意点
レビューによっては「中級者向け」との評価も見られますが、それはあくまで一般的なスコッチやジャパニーズウイスキーと比較した場合の話。バーボンというカテゴリーの中では、間違いなく最も初心者に優しい一本です。価格も手頃で、入手性も良好です。
⑧ワイルドターキー8年
物語
“Kickin’ Chicken”(蹴飛ばす鶏)の愛称で知られるワイルドターキーは、その名の通り、妥協のない力強い味わいを信条としています。アルコール度数は法律で許される範囲で極力加水を抑えた50.5%に設定。また、樽の内側を最も強く焦がす「アリゲーターチャー」と呼ばれる工程を経ることで、樽からの風味を最大限に引き出しています。この「8年」は、スタンダード品よりも長い熟成期間を経ており、力強さの中に複雑さとまろやかさを兼ね備えています。
味・香り
ストレート
50.5%という高いアルコール度数に由来する、ガツンとくる力強いアタックが特徴。しかし、その奥にはキャラメルや熟した果実のような濃厚な甘みと、樽由来のスモーキーさ、そしてライ麦のスパイシーさが複雑に絡み合います。
ハイボール
ハイボールにすることで、その荒々しい個性が良い意味で飼いならされます。高いアルコール度数が飲みごたえのあるコクに変わり、スパイシーな風味が炭酸で爽やかに。パンチがありながらも、驚くほど飲みやすい一杯に変貌します。
初心者へのおすすめポイント
このリストの中では、やや「挑戦者向け」の一本です。ジムビームやメーカーズマークでバーボンの甘さに慣れた後、「もう少しパンチと刺激が欲しい」と感じた方に最適。アルコール度数の高さに最初は驚くかもしれませんが、その奥にある豊かな味わいは、一度ハマると病みつきになる魅力を持っています。
購入時の注意点
アルコール度数が50.5%と高いため、飲み過ぎには注意が必要です。まずはハイボールで、少し薄めに作って試してみるのが良いでしょう。価格は3000円前後と、8年熟成のバーボンとしては非常にコストパフォーマンスに優れています。
⑨ジョニーウォーカー12年
物語
「ストライディングマン(闊歩する紳士)」のロゴで世界的に知られるジョニーウォーカー。その中でも「ブラックラベル 12年」は、専門家から「ブレンデッドスコッチの傑作」と称賛される一本です。スコットランド各地から集められた、個性豊かな40種類以上の12年以上熟成したモルト・グレーンウイスキーをブレンド。その複雑かつ調和の取れた味わいは、まさにブレンディングの芸術品です。
味・香り
ストレート
香りは非常に複雑。ドライフルーツのような甘さに、バニラのクリーミーさ、そしてジョニーウォーカーの代名詞である上品なスモーキーさが重なります。口に含むと、それぞれの味わいが突出することなく、見事な調和を保ちながら滑らかに広がります。
ハイボール
ハイボールにすると、スモーキーな香りがふわりと立ち上り、食欲をそそります。甘さとフルーティーさが爽やかさを演出し、後味には心地よい燻製香の余韻が残ります。ただ爽やかなだけではない、奥行きのある大人のハイボールが楽しめます。
初心者へのおすすめポイント
「スモーキーなウイスキーに興味があるけど、クセが強そうで怖い」という方に、最初の一歩としてこれ以上ないほど完璧な一本です。スモーキーさはあくまで構成要素の一つとして、全体のバランスを崩さないように巧みにブレンドされています。このウイスキーを通じて、スモーキーフレーバーの奥深い魅力に気づく人も少なくありません。
購入時の注意点
世界で最も売れているスコッチウイスキーの一つであり、価格は非常に安定しており手頃です。レビューによっては「苦味や刺激が強い」との意見もありますが、それはスモーキーさに慣れていない場合。まずはこの「ジョニ黒」で、自分がスモーキーフレーバーを好むかどうかを試してみるのが良いでしょう。
⑩タリスカー 10年
物語
スコットランドの北西に浮かぶ、荒々しい自然に囲まれたスカイ島。そこで唯一稼働している蒸留所がタリスカーです。「Made by the Sea(海によって造られた)」という言葉の通り、そのウイスキーは潮の香りと荒々しい気候を色濃く反映した、唯一無二の個性を持っています。その爆発的な味わいは、多くのウイスキーファンを虜にしてやみません。
味・香り
ストレート
グラスを近づけると、力強いピートスモークと共に、はっきりとした潮の香りが感じられます。口に含むと、フルーティーな甘みの直後に、黒胡椒を噛み砕いたような爆発的なスパイシーさが舌を刺激します。非常にパワフルで飲みごたえのある味わいです。
ハイボール
タリスカーの個性が最も輝く飲み方の一つ。ソーダで割ることで、スモーキーさとスパイシーさが爽快感と共に弾けます。特に、グラスの上から黒胡椒を挽きかける「スパイシーハイボール」は、メーカーも推奨する公式の飲み方で、その相性は格別です。
初心者へのおすすめポイント
これは、リストの中で最も個性が際立つ一本です。ジョニーウォーカーブラックでスモーキーさに目覚め、「もっと強烈な個性を体験したい」という冒険心あふれる初心者にこそ飲んでほしいウイスキー。その味わいは一度体験したら忘れられないほど強烈で、あなたをウイスキーの沼へと引きずり込むかもしれません。
購入時の注意点
その強烈な個性から、好き嫌いがはっきりと分かれるウイスキーです。しかし、ハマる人にはとことんハマる魅力があります。価格はシングルモルトとしては標準的で、5000円以内で購入可能です。
⑪イチローズモルト&グレーン
物語
今や世界中のウイスキーファンから熱い視線を集める、埼玉県の秩父蒸溜所。その創業者である肥土伊知郎(あくと いちろう)氏の名を冠した「イチローズモルト」は、日本のクラフトウイスキー界を牽引する存在です。この「ホワイトラベル」は、秩父の原酒をキーに、世界5大ウイスキー(スコッチ、アイリッシュ、アメリカン、カナディアン、ジャパニーズ)の原酒をブレンドした「ワールドブレンデッドウイスキー」。肥土氏の卓越したブレンド技術が光る、まさに世界を旅するような一本です。
味・香り
ストレート
レモンやオレンジピールのようなフレッシュな柑橘系の香りに、クリーミーなバニラが続きます。奥の方に、森林や檜風呂を思わせる日本的なウッディネスも感じられます。46%という高めのアルコール度数からくる、ピリッとした刺激も特徴です。
ハイボール
ハイボールにすると、複雑な香りが華やかに開きます。柑橘の爽やかさと、奥にあるハーバルなニュアンスが引き立ち、飲みごたえのある一杯に。甘さ一辺倒ではない、ビターさやスパイシーさも感じられる、大人の味わいです。
初心者へのおすすめポイント
このウイスキーは、「次なるステップへの、少し挑戦的な一本」と位置づけるのが適切です。これまでに紹介したウイスキーをいくつか試し、ウイスキーの味わいに慣れてきた方が、その複雑さや奥深さを楽しむのに最適です。アルコール度数が高く、味わいも多層的なため、全くの初心者には刺激が強く感じられるかもしれません。しかし、その挑戦の先には、素晴らしい香味体験が待っています。
購入時の注意点
絶大な人気を誇るため、定価での入手が難しい場合があります。オンラインショップではプレミア価格で販売されていることも多いため、購入の際は価格をよく確認することが重要です 。もし定価に近い価格で見かけたら、迷わず手に入れることをお勧めします。
⑫シングルグレーン富士
物語
富士山の麓に位置する、キリンの富士御殿場蒸溜所。ここで造られる「富士」は、世界的に評価が高まっている日本のグレーンウイスキーの魅力を存分に味わえる一本です。通常、グレーンウイスキーはブレンデッドウイスキーのベースとして使われることが多いですが、このボトルはグレーン原酒そのものの美味しさを追求しています。ヘビー、ミディアム、ライトという3つの異なるタイプのグレーン原酒をブレンドすることで、複雑で奥行きのある味わいを実現しています。
味・香り
ストレート
洋梨やオレンジピール、マロングラッセのような、幾重にも重なる甘く華やかな香りが特徴。口当たりは非常に滑らかで、シルクのようです。白ブドウやシナモンのような風味も感じられ、上品な余韻が長く続きます。
ハイボール
ハイボールにすると、その上品な甘さと華やかな香りが、爽快感とともに綺麗に立ち上ります。味わいのバランスが良く、非常に洗練された印象。ウイスキーの繊細な風味を損なうことなく、すっきりと楽しめます。
初心者へのおすすめポイント
「グレーンウイスキー」という、少し通なカテゴリーに触れる絶好の機会となる一本です。一般的にモルトウイスキーよりも軽やかで甘みが強いとされるグレーンウイスキーの、トップクラスの品質を体験できます。クセがなく非常に飲みやすいため、初心者の方でも安心して楽しめますし、ウイスキー好きの方への贈り物としても喜ばれる、洗練された選択肢です。
購入時の注意点
価格は5000円前後と、このリストの中ではやや高めですが、その品質を考えれば納得の価格です 。ジャパニーズウイスキーの新たな可能性を感じさせてくれる、価値ある一本と言えるでしょう。
おすすめウイスキー早見表
| 銘柄 | タイプ/生産国 | 味わいの特徴 | ハイボールでの印象 | 参考価格(700ml) | こんな人におすすめ |
| サントリーウイスキー 角瓶 | ブレンデッド/日本 | バランス、コク、ドライ | 爽快なキレ味、和食に合う | ¥1,700前後 | 「ザ・日本のハイボール」を味わいたい全ての人に |
| ジムビーム ホワイト | バーボン/アメリカ | 甘み、バニラ、マイルド | 豊かな甘みとキレ、肉料理に合う | ¥1,300前後 | 甘くて飲みやすいハイボールが好きな人に |
| ブラックニッカ クリア | ブレンデッド/日本 | クセがない、軽やか、スムース | 究極のスッキリ感、どんな料理にも合う | ¥900前後 | とにかくクセのない、飲みやすい一杯を求める人に |
| グレンフィディック 12年 | シングルモルト/スコットランド | フルーティー、洋梨、華やか | 爽やかで上品、華やかな香りが広がる | ¥4,800前後 | 初めてのシングルモルトに挑戦したい人に |
| シーバスリーガル 12年 | ブレンデッド/スコットランド | リッチ、スムース、ハチミツ | まろやかでリッチ、バランスの取れた味わい | ¥2,600前後 | バランスが良く、少しリッチな気分を味わいたい人に |
| オーヘントッシャン 12年 | シングルモルト/スコットランド | スムース、柑橘、軽快 | 驚くほど滑らか、繊細でクリアな味わい | ¥4,500前後 | 軽やかでスムースなウイスキーが好きな人に |
| メーカーズマーク | バーボン/アメリカ | 優しい甘さ、小麦、オレンジ | ふっくらとした甘み、まろやかな口当たり | ¥2,600前後 | バーボン特有の優しい甘さを体験したい人に |
| ワイルドターキー 8年 | バーボン/アメリカ | 力強い、スパイシー、リッチ | 飲みごたえ抜群、パンチの効いた味わい | ¥2,900前後 | 少し刺激的で個性的なハイボールを求める人に |
| ジョニーウォーカー ブラックラベル 12年 | ブレンデッド/スコットランド | バランス、スモーキー、複雑 | 上品なスモーキーさ、奥行きのある味わい | ¥2,600前後 | スモーキーウイスキーへの第一歩を踏み出したい人に |
| タリスカー 10年 | シングルモルト/スコットランド | スモーキー、潮、黒胡椒 | 爆発的な個性、スパイシーで爽快 | ¥4,700前後 | 個性的で忘れられない一杯を体験したい人に |
| イチローズモルト&グレーン ホワイトラベル | ワールドブレンデッド/日本 | 複雑、柑橘、ハーバル | 華やかで複雑、通好みの味わい | ¥4,300前後 | 話題のジャパニーズクラフトを試したい人に |
| キリン シングルグレーン 富士 | シングルグレーン/日本 | スムース、洋梨、上品な甘さ | 綺麗で滑らか、洗練された味わい | ¥5,000前後 | 上品で洗練された日本の味を愉しみたい人に |
■まとめ
今回は5,000円以下で楽しめる、ハイボールに最適なウイスキーを12銘柄、味わいのタイプ別にご紹介しました。甘く飲みやすいバーボンから、華やかなシングルモルト、個性的なスモーキータイプまで、あなたの「飲んでみたい!」を刺激する一本は見つかったでしょうか。

ハイボール娘
大切なのは、難しく考えず、まずは「美味しそう」と感じたものから気軽に試してみることです。この記事を参考に選んだ最初の一杯が、あなたをウイスキーの奥深く、そして楽しい世界へと誘う最高のきっかけになるはずです。
今後も、「美味しいハイボール」が飲めるような作り方やアレンジ方法などの記事を投稿していくので、いつもの家飲みを「ちょっと特別」にしてみたい方はぜひ見てね!
■よくあるご質問(Q&A)
Q1:高いウイスキーでハイボールを作るのはもったいない?
A1:一概に「もったいない」とは言えません。しかし、高価で複雑な味わいのウイスキーは、ソーダで割ることでその繊細なニュアンスが感じ取りにくくなることがあります。特に初心者の方にとっては、今回ご紹介した5000円以下のウイスキーが、ハイボールにした際の品質と価格のバランスが最も優れていると言えるでしょう。まずはこの価格帯で自分の好みを見つけるのがおすすめです。
Q2:スモーキーなウイスキーはハイボールに合わないと聞きました。本当?
A2:それは完全に好みの問題です。実際、スモーキーなハイボールをこよなく愛するファンは世界中にたくさんいます。炭酸によってスモーキーな香りが華やかに立ち上り、食欲をそそる素晴らしい組み合わせです。もし興味があれば、まずはスモーキーさが上品にブレンドされている「ジョニーウォーカー ブラックラベル 12年」から試してみてはいかがでしょうか。
Q3:「角ハイボール」と普通のハイボール、何が違うの?
A3:「ハイボール」とは、ウイスキーをソーダで割ったカクテル全般を指す言葉です。一方、「角ハイボール」は、その中でもサントリーの「角瓶」を使って作られたハイボールを指す、いわば商品名のようなものです。「角瓶」があまりにも日本のハイボール文化に浸透したため、ブランド名がそのままカクテル名のように呼ばれるようになったのです。
Q4:専用のグラスや特別な氷は必要ですか?
A4:全く必要ありません。ご家庭にある、なるべく背の高いグラス(タンブラー)であれば十分です。氷も、バーで使われるような透明で硬い氷が理想的ではありますが、家庭の冷凍庫で作った氷で全く問題ありません。最も大切なのは、特別な道具を揃えることよりも、「グラスに氷をぎっしり入れる」という基本を守ることです。

