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アイリッシュコーヒーの作り方|プロの味を再現するコツとおすすめ銘柄

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ハイボール娘
ハイボール娘

今回は、アイリッシュコーヒーの基本的な作り方はもちろん、味の決め手となるウイスキーの選び方、プロが実践する美味しさのコツ、アレンジレシピまでご紹介します!

■アイリッシュコーヒー4つの柱

ここでは、その4つの柱であるウイスキー、コーヒー、甘味料、そしてクリームを解体し、なぜその選択が重要なのかを紹介します。

①アイリッシュウイスキーの役割

アイリッシュウイスキーの最大の特徴は、多くのスコッチウイスキーに見られるピート(泥炭)由来のスモーキーな香りがほとんどなく、滑らかな口当たりを持つ点にあります。この特性が、コーヒーやクリームと調和し、バランスの取れたカクテルを生み出します。

②コーヒーの選択

多くの伝統的なレシピや専門家の推奨は「深煎り」のコーヒー豆です。ウイスキーのアルコール感と生クリームの濃厚なコクに負けない、力強い苦味とボディが必要だという考え方に基づいています。コーヒーの風味が弱いと、他の要素に埋もれます。

より現代的なスペシャルティコーヒーの観点からは、「浅煎りから中煎り」の豆を推奨します。浅煎りの豆が持つフルーティーな酸味や華やかな香りを活かし、ウイスキーの持つ甘い香りと複雑な組み合わせを創り出そうという意図があります。

③甘味について

多くのシンプルなレシピでは単に「砂糖」と記されていますが 、より楽しむためには「ブラウンシュガー」や「白ザラメ」がオススメです。ブラウンシュガーは糖蜜由来の微かな風味があり、ウイスキーの樽香とよく合います。一方、白ザラメはすっきりとした甘さを加えます。

④クリームについて

アイリッシュコーヒーの頂点を飾るクリームは、下の熱いコーヒーカクテルと口との間の、冷たくて滑らかな緩衝材の役割を果たします。理想的な状態は、完全に泡立てられた硬いホイップクリームではなく、「七分立て」程度の、とろりとした液体状のクリームです。この状態であれば、スプーンから滑らかに注ぎ入れることができ、コーヒーの上に均一な層を形成します。





■アイリッシュコーヒーの作り方

①クリーム・グラスの準備

生クリームをボウルに入れ、七分立てにします。目安は、泡立て器を持ち上げたときに、とろりとしてゆっくりと落ちるくらいの固さです。その後、耐熱グラスに熱湯を注ぎ、グラス全体が温まるまで待ちます。その後、お湯を捨て、水気をしっかりと拭き取ります。

②ウイスキーとコーヒーの追加

砂糖→コーヒー(ここで完全に溶かす)→ウイスキーの順で加えます。先に砂糖を熱いコーヒーで完全に溶かしてからウイスキーを加えることで、アルコール投入後の攪拌を最小限に抑えられます。これにより、ウイスキーの繊細なアロマが揮発してしまうのを防ぎ、香りを最大限に保つことができます。

③クリームを浮かべる

温めたスプーンを用意し、スプーンの裏側(凸面)を、グラスの中のコーヒー液の表面にそっと触れるか触れないかの位置まで下げます。冷やしておいた、とろみのあるクリームを、そのスプーンの裏側めがけてゆっくりと注ぎます。

 

■おすすめのアイリッシュウイスキー

①ジェムソン

代表格であり、最も広く認知されている選択肢。滑らかで親しみやすく、完璧な基準点となります 。さらに、標準品よりもバランスに優れると評価される「ジェムソン カスクメイツ」や、よりリッチな味わいの「ブラック・バレル」といったバリエーションも存在します。

②ブッシュミルズ

ジェムソンよりやや軽やかと評されることもあります。特に、シェリー樽熟成によるリッチでフルーティーな風味が特徴の「ブラック・ブッシュ」は、より深みのあるアイリッシュコーヒーを求める際に頻繁に推奨されます。

③タラモアデュー

その際立った滑らかさと、挑戦的な風味がないことから、多くの人に愛される選択肢です。バランスが良く、誰にでも飲みやすい一杯に仕上がります。

④レッドブレスト12年

高価ながら、その複雑さとクリーミーな舌触りで最高級の選択肢として挙げられます。シングルポットスチルならではの豊かな味わいが、格別なアイリッシュコーヒーを生み出します。

⑤ティーリング スモールバッチ

ラム樽での後熟に由来するユニークな甘さとバニラのニュアンスが特徴。モダンでフルーティーなアイリッシュコーヒーに仕上がります。

★アイリッシュウイスキー早見表

ウイスキーブランド風味の主な特徴相性の良いコーヒー焙煎度
ジェムソン スタンダード滑らか、バニラ、軽やかな花の香り中深煎り(クラシック)
ジェムソン カスクメイツスタウト/IPA樽由来、
ココア、コーヒーのニュアンス
中深煎り
ブッシュミルズ ブラック・ブッシュリッチ、フルーティー、
シェリー樽の影響、モルティ
深煎り
タラモアデュー穏やか、滑らか、青リンゴ、バニラ中煎り
レッドブレスト 12年複雑、クリーミー、
クリスマスケーキのスパイス、シェリー
中煎り
ティーリング スモールバッチ甘い、ラム樽由来、バニラ、
ドライフルーツ
中浅煎り(モダン)

 

■アレンジレシピ集

①フランベとシトラス

ウイスキー・フランベ
これは、ウイスキーを温めてから火をつけ、アルコールを燃焼させる手法です。このプロセスにより、アルコールの刺激的な角が取れ、ウイスキー本来の芳醇な香りが際立ちます。

シトラス・インフュージョン
より繊細な香りを加えたい場合、ウイスキーをスライスした柑橘類と共に穏やかに温める方法があります。シトラスの爽やかな香りがウイスキーに移り、クリームの濃厚さとの間に鮮やかなコントラストを生み出します。

②ウイスキーで変える香り・風味

アイリッシュコーヒーは、「コーヒー+スピリッツ+クリーム」という形式のバリエーションを生み出しました。ベースとなるスピリッツを変えることで、全体の風味がどう変わっていくのかを見ていきましょう。

ゲーリックコーヒー
スコッチウイスキーを使用。ピート由来のスモーキーな香りが特徴で、より男性的で力強い味わいになります。


ケンタッキーコーヒー
バーボンウイスキーを使用。トウモロコシ由来の甘さと、バニラやキャラメルのような香りが前面に出た、より甘美な一杯です。


ロイヤルコーヒー
コニャックやブランデーを使用。しばしばスプーンに乗せた角砂糖にブランデーを染み込ませて火をつける「カフェ・ロワイヤル」のスタイルで提供され、華やかで高貴な香りが楽しめます。


ノルマンディーコーヒー
フランスのリンゴのブランデーであるカルヴァドスを使用し、フルーティーで爽やかな後味が特徴です。

③デザート的バリエーション

アイス・アイリッシュコーヒー
暖かい季節に人気のバリエーション。水っぽくなるのを防ぐため、濃いめに抽出したコーヒーを急冷するか、水出しコーヒーを使用するのがオススメです。シェイカーを使って材料を混ぜ合わせることで、きめ細やかな泡立ちと一体感が生まれます。

ベイリーズ・アイリッシュクリーム
アイリッシュクリームリキュールの「ベイリーズ」を用いることで、簡単にアイリッシュコーヒーを楽しむことができます。ベイリーズには既にウイスキー、クリーム、砂糖が含まれているため、コーヒーと混ぜるだけで簡単に甘くクリーミーなカクテルが完成します。

デザート・トッピング
クリームの上に様々なトッピングを加えることでデザート感覚で楽しめます。削りチョコレートやココアパウダー、シナモンやナツメグといったスパイス、キャラメルソースなどが人気です。

 

■まとめ

アイリッシュコーヒーの世界、いかがでしたでしょうか。ウイスキー、コーヒー、甘味、クリームという4つの要素が緻密なバランスで成り立つ、奥深いカクテルです。材料一つを選ぶ知識と、手順に込められた理由を知ることで、アイリッシュコーヒーは格段に本格的な味わいへと変わります。

ハイボール娘
ハイボール娘

まずは伝統的なレシピでその黄金比を確かめ、慣れてきたらウイスキーの銘柄やコーヒーの焙煎度を変えて、あなただけの特別な一杯を探求してみてください。

今後も、「美味しいハイボール」が飲めるような作り方やアレンジ方法などの記事を投稿していくので、いつもの家飲みを「ちょっと特別」にしてみたい方はぜひ見てね!

 

■よくあるご質問

Q1:アイリッシュコーヒーは混ぜて飲むべきですか?

A1:いいえ、混ぜずに飲むのが伝統的で推奨される飲み方です。このカクテルの最大の魅力は、冷たくて甘いクリームの層を通して、熱くて香り高いコーヒーを味わう際の温度と味のコントラストにあります。混ぜてしまうと、その特別な体験が損なわれてしまいます。

Q2:生クリームがうまく浮かびません。コツはありますか?

A2:これは多くの方が経験する失敗ですが、いくつかの科学的なコツで解決できます。成功の鍵は「密度」の差です。まず、コーヒーに砂糖をしっかりと溶かし、コーヒー液の密度を高くします。砂糖の量が少ないとクリームは沈みやすくなります。次に、生クリームは固く泡立てすぎず、「七分立て」のとろりとした液体状にします。これによりクリームに空気が含まれ、密度が低くなります。最後に、スプーンの裏側をコーヒー液の表面ギリギリに近づけ、そこへクリームを静かに注ぎ入れることで、衝撃を和らげ、美しい二層構造を作ることができます。

Q3:アルコールが苦手なのですが、ノンアルコールでも楽しめますか?

A3:はい、楽しめます。ウイスキーの代わりに、ノンアルコールカクテル用に開発されたフレーバーシロップを使うことで、アイリッシュコーヒーの雰囲気を再現できます。特に、モナン社の「アイリッシュシロップ」は、ウイスキーとクリームが合わさったような風味を持っており、これをお好みの濃さのコーヒーに加えるだけで、アルコールなしでも本格的な味わいに近づけることができます。

Q4:どんなコーヒー豆を選べばいいですか?浅煎りと深煎りのどちらが良いですか?

A4:コーヒー豆の選び方には、伝統的な考え方と現代的な考え方の二つがあります。伝統的には、ウイスキーの力強い風味とクリームの濃厚さに負けないよう、しっかりとした苦味とコクのある「深煎り」の豆が推奨されます。一方、現代的なアプローチでは、コーヒー豆が持つフルーティーな酸味や華やかな香りを活かすために「浅煎り〜中煎り」の豆が選ばれることもあります。これにより、ウイスキーの繊細な香りと共鳴し、より複雑で立体的な味わいが生まれます。どちらを選ぶかは、デザートのような濃厚さを求めるか、より繊細な香りの調和を楽しむか、お好み次第です。

Q5:アイリッシュコーヒーのアルコール度数はどのくらいですか?

A5:使用するウイスキーの量によって変わりますが、一般的には10%〜18%程度です。これはビール(約5%)より高く、ワイン(約12%)と同等かそれ以上になります。お酒に弱い方はウイスキーの量を減らしたり、フランベ(火をつけてアルコールを飛ばす)をすることで度数を調整できます 。ただし、コーヒーに含まれるカフェインの覚醒作用により、酔いを感じにくくなることがあるため、飲み過ぎには注意が必要です。