【ウイスキー投資】始める3つの方法と失敗しないボトルの儲け方

お酒の雰囲気

ハイボール娘
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今回は、話題のウイスキー投資を始める手法をご紹介!カスク、ファンド、ボトル投資のメリット・デメリットから、高騰する銘柄の見分け方などを解説します。

■ウイスキー投資はなぜ過熱してる?

ウイスキーは、単なる嗜好品から、オルタナティブ投資(代替資産)の主要なカテゴリーへと急速に進化しています。かつては愛好家やコレクターの世界であったものが、現在ではグローバルな富裕層(HNWI)がアートやコインと同様に、価値の保存手段として注目する資産クラスとなっています。ウイスキー投資の過熱ぶりは、オークションの驚異的な落札価格が象徴しています。

2019年、「ザ・マッカラン 60年」は1本約2億1750万円で落札。これは1986年に100万円だったものが約216倍に高騰した計算です。また「イチローズモルト カードシリーズ」54本セットも、定価81万円から約120倍の約9750万円になりました。こうした価格は、ウイスキーがもはや単なるお酒ではなく、純粋な投資対象として認識されている証拠です。

 

■カスク投資(樽投資)

カスク投資は、ウイスキー投資の頂点とも言える手法です。まだ熟成途上にあるウイスキーが詰められたカスク(樽)を1樽丸ごと購入し、数年~数十年の熟成期間を経て、価値が上がった時点で売却しキャピタルゲインを得ることを目的とします。ウイスキーは樽の中で熟成が進むにつれてその価値を増していくため、「時間」そのものが資産価値を付加するという、他の金融商品にはないユニークな特性を持ちます。

①投資の具体的なステップ

日本からスコットランドの蒸溜所の樽を直接購入することは困難です。そのため、専門の仲介業者(プラットフォーム)を利用するのが一般的です。

信頼できる仲介業者(プラットフォーム)の選定
日本国内にも、スコットランドのカスク投資を専門に扱う企業(例:The Whisky Stock 9、株式会社クレア・ライフ・パートナーズ 8 など)が存在します。これらのプラットフォームを通じて、購入のコンサルティングを受けます。

カスクの選定と見積もり
仲介業者が提供するリストから、カスクを選定します。選定基準は、蒸溜所(例:マッカラン、ボウモア、カリラなど)、熟成年数、樽の種類(シェリーカスク、バーボンバレルなど)、そして価格です。価格帯は1樽あたり約50万円から、有名蒸溜所の長期熟成カスクでは5,000万円を超えるものまで幅広いです。

契約と支払い
購入するカスクが決定したら、売買契約を締結します。支払い方法は、海外送金またはクレジットカード決済に対応している場合があります。

所有権証明書の受領
支払いが完了すると、カスクナンバーや蒸溜所名、蒸溜日などが記載された法的な「所有権証明書」が発行されます。これにより、投資家は正式にそのカスクのオーナーとなります。

購入後の管理
カスク投資の最大の利点の一つは、購入後の物理的な管理が一切不要である点です。購入されたカスクは、スコットランドの英国内国歳入関税庁(HMRC)によって認可された「保税倉庫(Bonded Warehouse)」にて厳重に保管されます。これにより、投資家は自宅に巨大な樽を保管するスペースを確保したり、温度や湿度を管理したりする必要がありません。

②カスク投資の総費用

初期費用
1樽あたりの平均単価は、約50万円~300万円のレンジが最も多くあります。

ランニングコスト
カスクを保有している間、年間の保管料と保険料が発生します。一例として、年間60英ポンド(約11,000円)+税金といったコストが挙げられます。これは、厳格な温度管理が必要なワイン投資のセラー管理費用(月額数千円~)と比較しても、非常に安価な維持コストです。

③カスク投資の利益確定方法

カスクのオーナーには、主に2つの出口戦略(利益確定または消費の方法)があります。

カスク(樽)のまま売却する
最も一般的な出口戦略です。購入から数年~十数年が経過し、熟成によってウイスキーの価値が十分に高まったと判断したタイミングで、他の投資家やボトラー(瓶詰業者)に樽ごと売却します。

ボトリングして自己消費・贈答する
投資目的だけでなく、熟成が完了した樽を「世界に一つだけのオリジナルウイスキー」としてボトリング(瓶詰)することも可能です。これを日本に輸入し、自己消費用として楽しんだり、特別なギフトとして贈答したりすることができます。

★カスク投資ver.2.0

伝統的なカスク投資は、1樽(最低50万円以上)という購入単位の大きさと、売却先が限定されることによる流動性(換金性)の低さが課題でした。この問題を解決する可能性を秘めているのが、最新のテクノロジーです。UniCaskのようなプラットフォームは、ウイスキー樽という「実物資産(RWA = Real World Asset)」の所有権を、ブロックチェーン技術を用いて「NFT化」するというアプローチを導入しています。

これにより、カスクの所有権がデジタル台帳上で透明かつ安全に管理されるようになります。将来的には、このNFT化された所有権を分割(小口化)し、より少額から、そしてNFTマーケットプレイスなどを通じてより流動性の高い取引(売買)が可能になることが期待されています。これは、カスク投資の未来の形として注目すべき動向です。

 

■ファンド投資

ウイスキー投資に興味はあるものの、銘柄選定の知識や管理の手間を避けたい層にとって、「ウイスキーファンド」は魅力的な選択肢となります。

①ウイスキーファンドとは?

ウイスキーファンドは、投資信託の一形態です。複数の投資家から資金を集め、その資金を元手にウイスキーの専門家(ファンドマネージャー)が、値上がりが期待できる複数のボトルやカスクのポートフォリオを構築・運用します。そして、運用によって得られた利益(売却益や分配金)を投資家に還元する仕組みです。

メリット
専門家による運用
どの銘柄が値上がりするかを自分で調査・判断する必要がなく、目利きのできるプロに運用をすべて一任できます。投資に詳しくない方でも失敗しにくい安心感があります。

分散投資によるリスク低減
投資資金が自動的に複数の銘柄やカスクに分散されるため、特定のボトルの価値が下落した場合のリスクを低減できます。また、多くのファンドは、これまでの運用成績(パフォーマンス)を公開しているため、それをチェックした上で投資判断ができます

少額から投資可能
1樽50万円以上といったまとまった資金が必要なカスク投資とは異なり、ファンドによってはより少額から(例:最小取引量1リットルなど)投資を始められる場合があります。

デメリット
運用リスク
金融商品である以上、プロが運用しても市場の変動によって運用が失敗し、元本割れする(投資した金額より戻ってくる金額が少なくなる)可能性があります。

選択の不自由
運用はプロに一任するため、自分で銘柄を選んでコレクションする、といった「趣味」としての楽しみはありません。

②日本の「ファンド」の実態

日本市場において「ウイスキーファンド」という言葉が使われる際、注意が必要です。経済メディアでは「ファンドも登場」と報じられ、その定義も(前述の通り)存在します。しかし、日本国内で「ウイスキー投資」を謳うサービスの中には、実態としては「カスク(樽)の仲介販売」を主としているものも多く見受けられます。

また、「十勝ウイスキーファンド」のように、特定の蒸溜所の「オーナーズカスク(1樽の権利)」を販売するプログラムを「ファンド」と呼称しているケースもあります。投資を検討する際は、そのサービスが「複数の資産に分散投資する【ファンド(投資信託)】」なのか、それとも「1つの樽を個別購入する【カスク投資(実物資産)】」なのかを、契約前に明確に確認する必要があります。

 

■ボトル投資

ウイスキー投資の中で最も手軽に、1万円程度からでも始められるのが「ボトル投資」です。将来的に価値が上がると予測されるウイスキーボトルを安価なうちに購入し、適切な環境で保管、価値が上がった時点で売却して利益を得る手法です。コレクションとしての魅力も兼ね備えています。

①ボトル投資とは?

ボトル投資で最大の利益を生むための鉄則は、すでに高騰した市場価格(プレミア価格)で買うことではありません。メーカーが設定した希望小売価格(=定価)で購入することです。例えば、「山崎18年」の定価は32,000円ですが、現在の市場価値(実売価格)は13万円~17万円にも達します。この「定価と市場価格の差額」こそが、ボトル投資家の利益の源泉です。

この「定価で手に入れる権利」を獲得することが、ボトル投資のスタートラインであり、最も困難な点でもあります。その主な方法は、イオンやビックカメラ、やまやといった大手スーパー、百貨店、酒販店が実施する「抽選販売」に、地道に応募し続けることです。

②ウイスキーの見分け方

なぜ特定のジャパニーズウイスキーは、これほどまでに高騰しているのでしょうか。その根本的な原因は、世界的な需要の急増に対して、熟成に10年、20年という長い時間が必要なウイスキーの「原酒不足」という需給ギャップにあります。この「原酒不足」という背景を理解すると、価値が上がるボトルの法則が見えてきます。

【終売・休売】「エイジ(熟年齢)表記」が消えたボトルを狙う
原酒不足が深刻化し、メーカーは安定供給ができない熟成年数表記(エイジ)のあるボトルの販売を終了(終売)または休売せざるを得なくなりました。市場から公式に姿を消したボトルは、残存する在庫の希少価値が爆発的に高騰しています。(例:「竹鶴17年」、「竹鶴21年」、「余市10年・12年・15年・20年」、「白州10年」、「響17年」など。)

【閉鎖蒸溜所】二度と生産されない「幻のウイスキー」
すでに蒸溜所自体が閉鎖され、二度と新しいウイスキーが生産されることのないボトルは、究極のコレクターズアイテムとなります。(例:「軽井沢」。2000年に閉鎖された蒸溜所のウイスキーは「幻」と呼ばれ、1本数百万~数千万円で取引されることもあります。)

【限定品】リミテッドエディション、シングルカスク
生産本数がごくわずかに限られた限定ボトルは、発売と同時に投資対象となります。(例:「山崎 リミテッドエディション」、「イチローズモルト カードシリーズ」(54種類のトランプが描かれた超限定品など)。

【受賞歴】世界的な品評会での評価
世界的なウイスキーのコンペティション(WWAなど)で最高賞を受賞すると、国際的な知名度と需要が一気に高まり、価格に反映されます。

★ウイスキー価格の早見表

銘柄定価(当時・税抜)現在の価値(市場価格目安)騰落率(目安)
山崎25年160,000円150万円~200万円約930%~
山崎18年32,000円13万円~17万円約300%~
山崎12年10,000円2万円~3万円約100%~
響30年160,000円70万円~100万円以上約340%~
竹鶴25年70,000円30万円~35万円約330%~
竹鶴21年15,000円5万円~7万円約230%~
竹鶴17年7,000円4万円~6万円約470%~

山崎NVネット価格推移(一例)

20122015201820202023
約3,000円約4,000円約7,500円約9,000円約17,500円

 

ウイスキー投資の共通リスク

ウイスキー投資は高いリターンが期待できる一方で、株式や債券といった伝統的資産とは異なる特有のリスクが存在します。これらを理解せずに始めることは極めて危険です。

①投資の前に知るべきデメリット

流動性リスク(換金性)
株式のように即日で換金できるとは限りません。特にカスクや高額ボトルは、売りたい時に「買い手がつかない」と利益が確定できません。

価格変動リスク
現在のブームが永遠に続く保証はありません。ブームが去れば「資産価値が下がる」可能性も十分にあります。

保管・真正性リスク
ボトル投資は実物資産であるため、保管の失敗による品質劣化(液面低下、ラベルの汚損)、盗難、地震などによる破損といった物理的リスクを伴います。また、市場には精巧な「偽物」も流通しており、それを見抜けなければ価値はゼロになります。

法務リスク
ボトル投資家にとって最大の障壁です。利益目的の継続的な売買は「酒類販売免許」が必要となる可能性があり、法律に抵触するリスクがあります。ここで注目すべきは、投資手法とリスク管理の関係性です。ボトル投資家が直面する「保管リスク」や「偽造リスク」は、カスク投資が「HMRC認定の保税倉庫での管理」を、ウイスキーファンドが「専門家によるポートフォリオ管理」を提供することで、まさに解決しようとしている問題点です。つまり、どの投資手法を選ぶかは、どのリスクを許容し、どのリスクを専門家にアウトソース(外注)するかを決定することと同義なのです。

②ボトルの正しい保管方法

ボトル投資を選択した場合、投資家は自らの資産(ボトル)を自分で守る必要があります。

ボトルを立てて保管する
ウイスキーはコルクの劣化を防ぐため、ワインのように寝かせず、必ず立てて保管します。

湿気や臭気を避ける
高湿度はラベルのカビや劣化の原因となります。また、強い臭気はウイスキーの香りに影響を与える可能性があります。

光(紫外線)を遮断する
紫外線はウイスキーの品質を劣化させる最大の敵です。直射日光は絶対に避け、冷暗所で保管します。

パラフィルムで密閉する
長期保管の際は、揮発による液面低下(エンジェルズシェア)や酸化を防ぐため、キャップとボトルの境目に「パラフィルム」という医療・研究用のシールテープを巻いて密閉します。

保管場所
冷蔵庫はNG(香りが閉じこもるため)、ワインセラーはOK(温度・湿度が一定に保てるため)とされています。

★酒類販売免許(酒税法)

ボトル投資における最大のリスクが「法務リスク」です。家庭で不要になったお酒を1回限りで売却する(例:買取業者に売る)ことは、一般的に問題ありません。しかし、「利益を得る目的で、継続的に」ウイスキーを購入し、売却する場合(まさに「ボトル投資」がこれに該当します)、酒税法における「酒類の販売業」とみなされ、「酒類小売業免許」が必要となる可能性が非常に高いです。免許なしで継続的な転売(投資)を行うことは酒税法違反に該当し、摘発・処罰の対象となるリスクがあります。

★ウイスキー投資の税金と確定申告

ウイスキー投資(カスク、ファンド、ボトル問わず)によって利益を得た場合、その利益は「課税対象」となります。

所得区分
継続的な取引から得た利益は「雑所得」または「事業所得」に該当します。

確定申告
サラリーマン(給与所得者)の場合、給与以外の所得(例:ウイスキー投資の利益)が年間で20万円を超えると、所得税の確定申告が必要になります。

税務署の監視
税務署は、ネットオークションやフリマアプリを通じた取引を「(申告)漏れが多い」として注視しています。申告漏れが発覚した場合、本来の税額に加えて「重加算税(最大40%)」や「延滞税(最大約14.6%)」といった重いペナルティが課される可能性があります。利益が出た場合は、法律に従って適切に申告と納税を行う義務があります。

 

■まとめ

ウイスキー投資は、1本2億円超という「ロマン」に満ちた世界であると同時に、法務、税務、保管といった極めて現実的なリスクが伴う、専門性の高い投資分野です。日本からスコットランドの樽オーナーになる「カスク投資」の長期的なロマン、プロに一任できる「ファンド投資」の手堅さ、そして1万円からコレクションを兼ねて始められる「ボトル投資」の楽しみ。これら3つの方法は、それぞれが異なるリスクとリターンの特性を持っています。

ハイボール娘
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本記事で解説したそれぞれの仕組み、メリット、そして何よりも「リスク」を正しく理解することが、この魅力的な市場で失敗しないための第一歩です。ご自身の資産状況とライフスタイルに合った「賢い投資」を見つけてください。

今後も、「美味しいハイボール」が飲めるような作り方やアレンジ方法などの記事を投稿していくので、いつもの家飲みを「ちょっと特別」にしてみたい方はぜひ見てね!

 

■よくあるご質問

Q1:結局、どの投資方法が一番おすすめですか?

A1:目的次第です。カスク は50万〜で長期・高リターン。ファンド はプロに任せる分散投資。ボトルは1万円〜と手軽ですが、保管・法務リスク に注意が必要です。

Q2:投資したボトルや樽はどこで売却できますか?

A2:ボトルは専門の買取業者 やネットオークションです。ただし継続販売は酒類販売免許 が必要です。カスクは購入した仲介業者 を通じて売却するのが最も安全でスムーズです。

Q3:ジャパニーズウイスキー以外で注目すべき銘柄はありますか?

A3:はい。市場の主流はスコッチです。ジャパニーズと同様に「ザ・マッカラン」「ボウモア」「ハイランドパーク」といったスコッチの有名蒸溜所も高い人気と投資価値があります。

Q4:ワイン投資との違いは何ですか?

A4:最大の違いは「保管の容易さ」です。ウイスキーは蒸留酒で品質が安定していますが、ワインはデリケートで厳格な温度管理(セラー)と高い保管コストが必要です。管理の手間が少ないのが強みです。

Q5:カスク投資は必ず儲かりますか?リスクは?

A5:必ず儲かるとは限りません。カスクの価値は蒸溜所や熟成年数で決まりますが、市場全体の変動、景気、為替(ポンド)の影響で損失が発生する可能性もあります。